私は中学校を卒業し、高校は寮生活の厳しい学校へ入学しました。
まずは入学式前に入寮式があり、その時の先輩方は優しく入寮するための荷物などを気持ちよく部屋へ運んで下さり、これからの学園生活も安泰だと感じてしまうほどの入寮式でした。
しかし、入学式を済ませた途端に先輩たちは
「今日からお客さんじゃないぞ……」
と豹変し、虐めやシゴキの毎日が始まりました。また、今思えば私たちと年齢差が変わらない教員たちが寮の舎監(指導者)として、先輩方とは別の意味で私たちの指導をしていました。
その指導と言えば、寮生活に定番の点呼があり、基本的には定刻で実施されますが、入寮したばかりでは夜中に突然実施されていました。
その点呼は、放送で「点呼・点呼」と呼び出しがあった場合、作業服に着替えまた布団を綺麗に畳み、廊下に整列します。
そして部屋の中の確認となり、特に布団の畳み方、敷布団からタオルケット、上掛け布団の端と端をしっかり合わせて畳み、枕が綺麗に真っ直ぐ整理されているかも確認されます。
部屋の掃除状況や、普段使いの安全靴が綺麗に磨かされているかもチェックされ、問題があれば全てをベランダから放り投げられました。
寮は4階建てであり、私の部屋は1階にあったため回収に行くのはすぐに対応できそれほど大変ではありませんでした。
しかし、気の毒にも4階の仲間達は悲惨な状況でした。そんな入寮したての新入生は当分の間、厳しい舎監の洗礼を受けたのです。
さて、今考えればパワハラ、モラハラ……であり、教育とは程遠いただの虐めだったと思います。現在においては、社会問題化したことでしょう。
しかし、この歳にして考えると良い経験であったと思います。常に環境整理をする、常に短時間で行動するなど日常生活において必要なことを叩きこまれた3年間でした。
現実社会は、そこまで厳しくなく私自身社会生活において、厳しく経験していない者と仕事をしていると、気が抜けてしまうことばかりでした。
家庭内でも、洗濯物を見るとタオルの畳み方でさえ今でも「端と端をしっかり合わせて畳んでよ」「モップ掛けは丸く掛けないでよ」と感じる毎日だからこそ、出来る限り私が掃除や洗濯ものを畳んでいる毎日です。
そもそも、私が入学した当時の学校は、自衛隊と同じほどの厳しさと言われていました。
しかし、厳しいからこそ次には怒られないように『綺麗にしておく』『短時間に行動する』などに繋がったと思います。これが厳しくなく
「しっかり畳むように」「短時間に行動するように」
と口頭で指導されたぐらいでは、しっかりする習慣は出来なかったでしょう。
結局は、厳しくされ痛い経験をすることが、次への行動に繋がるのでしょう。
昨今では、指導のための言葉使いさえ相手からパワハラ、モラハラ……などと訴えてきます。
そのような現代でしっかりした指導は出来ないだろう、と思います。
この私の考えこそが昭和の考え方であり、令和の時代には通用しないことなのでしょう。

