お寿司といえば日本では回転寿司が定番ですが、ここ数年回転寿司に行った記憶はありません。
お寿司と言えば、殆どの方はイクラでしょう。その『イクラ』はあまり意識して食べませんが、実はサケやマスの卵巣から卵の粒を取り出して、網目を通してバラバラにして塩漬けされたものです。
また、『筋子』は、サケやマスの魚卵を卵巣膜に包まれたままの状態で塩漬けしたもので、卵が筋のように繋がっているため『筋子』と呼ばれています。
『イクラ』は筋子に比べ塩分が少なく、成熟した卵巣から作られるため、筋子より粒が大きく見栄えが良いそうです。
さて、鮭は日本の川で生まれ、また生まれた日本の川へ産卵のためにベーリング海から戻ってくる魚です。鮭が日本まで戻ってこられる理由は、地形を記憶しているとか太陽をコンパスとしているなどと言われていますが、まだ解明には至っていないそうです。
ただ、泳ぐ速さが満月の夜は早く、月が欠けると遅くなることから、鮭は視覚に頼って回帰しているとも考えられているようです。
日本へ戻ってきた鮭は、どうやって自分の生まれた川を判別するのでしょうか。
実は生まれた川のにおい(アミノ酸)で識別すると言われています。鮭の鼻の穴は2つあり、水が鼻腔内を通過することで水中のにおいがよく嗅げるそうです。
また、鮭の嗅細胞(きゅうさいぼう)は約1,420万個あるそうで、人間の嗅細胞は約300万個と言われているため、鮭の嗅覚が優れているといえます。
(ちなみに嗅細胞は他の動物の場合、犬は犬種にもよりますが6,700万個~2億個、猫は6,500万個と言われています。)
生まれた川を旅立ち、オホーツク海~北太平洋~ベーリング海と移動し、その後に夏はベーリング海・冬はアラスカ湾を行き来し3年から5年の海洋生活を送るそうです。
産卵を控えた鮭は、その年の夏にベーリング海を発ち、自分が生まれた川を目指します。(母川回帰)その移動距離は約3,000キロと言われています。
そんな過酷な旅を続けた鮭の『イクラ』を軍艦巻きとして「パクッ」と食べていたと考えると、言葉もありません。
私は毎日辛く厳しいと思い生きていますが、この鮭に比べれば大したことないでしょう。
鮭のように荒波の中を約3,000キロも泳ぎ移動して生まれ故郷へ戻る体力、気力は私にはありませんし、想像すらできません。
今後、お弁当を食べる機会がありましたら鮭の遡上を思い出し、よく味わって食べることといたします。
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