日本では、相続税や金融所得税など富裕層への負担強化が続いています。
一方で、シンガポールなどの国では相続税やキャピタルゲイン課税(有価証券の譲渡による取得(=キャピタルゲイン)に対する課税)が存在せず、税負担の格差は依然として大きい状況です。
こうした状況の中、海外移住や資産分散を選択する富裕層は少なくないそうです。
今、日本が進めている課税強化は本当に日本経済にとってはプラスなのでしょうか……。
外務省の海外在留邦人調査統計によると、2010年以降、シンガポールやニュージーランドへの日本人永住者が増加中だそうです。
移住者の所得や保有資産にかかわる公的な統計は存在しないものの、税法上のメリットを重視する富裕層が一定数含まれているようです。
現在はコロナ禍よりリモートワークが普及し、国際的な資産運用の一般化もあり、生活拠点と投資拠点を分散する動きも広がっているそうです。
かつては一部の超富裕層に限られていた海外移住も、現在では企業オーナーや投資家、高所得の専門職にも広がりつつあるそうです。
日本では、2015年に相続税の最高税率が50%から55%へ引き上げられました。(贈与税も同様に改正)
富裕層にとっては、長年かけて築いた資産の半分以上が相続時に課税対象となる可能性があり(税金として国がもっていくことになります)、その負担感は決して小さくないでしょう。
勿論、相続税には資産格差の固定化を防ぐという役割があります。しかし、事業継承や資産形成の観点からは
「既に所得税や法人税を支払った後の資産に再び課税する制度」
として疑問視する声も根強いのは当然であり、私も感じます。
また、日本では2015年から、一定額以上の有価証券などを保有する人が海外へ移住する際は、その含み益を実現益とみなし課税する『出国税(国外転出時課税制度)』が導入されました。
制度の目的は、株式などを保有したまま海外へ移住し、その後に売却することで日本の課税を回避する目的を防ぐことを目的としている側面があるようです。
しかし、出国税は移住そのものを制限する制度ではないため、富裕層にとっては移住コストの一部に過ぎないようです。長期的な税負担軽減効果が大きいと判断されれば、移住を選択するでしょう。
日本政府にとって税収確保は重要な課題です。それでも、このまま高税率であったならば確実に富裕層の日本脱出は止められないでしょう。
今の日本では頑張った人が報われない世の中であり、将来日本に在住する国民は金融資産の無い人ばかりになってしまい、考えただけでも恐ろしい社会がやってくるのかもしれません。
やはり、頑張った人が報われる社会にすべきだと考えているのは、私だけではないでしょう。