「35年間、母親以外と会話なし」の引きこもりの男が、2021年6月に高齢の両親を殺害。遺体を冷蔵庫に遺棄した罪に問われた初公判が開かれ、男は起訴内容を認めました。
被告は大学中退後、30年以上、ほぼ無職の状態を続け、引きこもりがちの生活を送る一方、アニメを見る等の趣味の時間を大切にしていたようです。2021年初頭から父親は認知症を発症し、母親が腰椎骨折をしてしまい父親の介護ができず。
父親からトイレの介助を初めて頼まれた際、鬱憤したいら立ちが爆発して殺害に至ったようです。また、父親の殺害を目撃した母親についても、口封じのために殺害しました。
最近、このような事件が相次いで起きているのは、まさに日本が高度経済成長から少子超高齢化に至った弊害ではないかと思われます。被告は次男であり、兄弟が何らかのサポートや行政への相談などがあれば防げた事件だと思います。
今、核家族化が進み、個人情報保護で守られる時代になったことで、ご近所同士の助け合いすら難しい時代となりました。
だからこそ、ますます増えていくことが予想できる事件です。
この問題は「引きこもり」「両親の高齢化による介護」「家族との関わり」など……それぞれを分けて考えなければ、一向に対策は打てません。
30年も前から引きこもっていたのであれば、何故兄弟の何らかのサポートがなかったのか。何故、両親が早期に行政へ相談しなかったのかなど、不思議でなりません。
日本全国にこのような「引きこもり」がたくさんいます。地域には「民生委員」がいるはずです。
どうか近所の民生委員に相談するなり、もっと民生委員が近所に目を向け、気を配ることも必要だと思います。しかし、核家族化、個人情報保護、民生委員の充足率不足など……。
たくさんの問題が絡み合っている現在ですから、解決させることは大変でしょう。
まずは「異変を感じたらすぐに家族が動く」
これが基本だと思います。
(※2022年12月19日に開かれた論告求刑で、検察側は被告に対して無期懲役を求刑しました。なお、判決は2023年1月6日に言い渡されます。)
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