「苦しい経営を続ける経営者の気持ちを理解したい」と公認会計士が始めた行列のできるラーメン店「ドラゴンラーメン」が2020年10月に開店しました。しかし、2年1ヵ月後の2022年10月いっぱいで閉店しました。
11時~14時という短い営業時間に1日平均100人を超える来客があり、1時間待ちの人気店でした。それにも関わらず閉店に至ったのは、開業時と比較すると植物油40~50%、麺類は30~40%、電気ガス代は30%ほど毎月の支払額が増えたことが原因のようです。
スタッフについても、この間に20人ほど採用し、近隣よりも給与を少し高めに設定しましたが、5人ほどはシフトの当日に来なくなったり、音信不通になったり、突然辞めてしまい、穴埋めに苦労したようです。
1ヵ月の売上は約240万円(税抜)で、仕込みから閉店までに食事はもちろん水を飲む一瞬の休憩もできない程の忙しさ。食材原価約70万円、人件費約70万円、家賃、水道光熱費、消耗品などが約40万円で、経営者の公認会計士の手元に残ったのは60万円程。売上に対してはかなり少ないということです。
1年間同じペースで、売り上げることができれば約720万円になりますが、夏場など売上が落ちる時期があるので、集客を安定させるのはとても難しいようです。
結果として、経営者の公認会計士は、これまでのサラリーマンや仕業経験からの同じ程度の年収を得るために、飲食店で同じ額を稼ぐ方が圧倒的に難しく、肉体的に大変で精神的に疲れるということです。結果的に「割に合わない」が閉店の理由だそうです。
この経営者の公認会計士が実践して出した結果では「日本のサービス業はレベルが高い」と言っています。
本人曰く「安いニッポン」で値上げができない環境は、経営者と現場スタッフが十分な収入を得られず、耐えているのが日本の姿のようです。
日本の状況がこのまま続けば、サービス業を始める人もスタッフとして働く人も、現在営業しているサービス業も将来的には廃業することが予想できます。
残念です。
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