日本は2023年になって、大手企業が内部保留から大幅な賃上げに舵を切り替え、経済の好循環が生まれつつありそうです。
しかし、現実には異なる事態が進行し始めたようです。
大手企業が大幅な賃上げを行う一方で、中小企業の賃上げにも期待が集まっていますが、その中小企業は厳しい条件下で思うような賃上げが出来ないようです。その結果として、大手企業と中小企業の間で、かつてないほどの「賃金格差」が広がり始めているそうです。
日本全体の企業数の99.7%が中小企業であり、従業員数の68.8%が中小企業で働いていると言われています。中小企業で大手企業と同じ水準の賃上げが行わなければ、経済の好循環を達成できず、尚且つ、格差がますます進んでいくでしょう。
大手企業は商品・サービスに対する価格転嫁を着々と行っていますが、対称的に中小企業は値上げ交渉が思うように進んでいない状況にあります。立場的に弱い中小企業ほど、原材料や水道光熱費のしわ寄せが集中しやすく、未だに立場の弱い関係がまかり通っています。
中小企業の賃上げの原資となる価格転嫁が出来ない、または遅れている状況の中で中小企業にも4月以降、大手企業と同じく「時間外労働」の割り増し賃金が適用されるようになりました。
多くの中小企業は事業の存続を考えると、物価高を埋めるほどの賃上げは容易に踏み切れないでしょう。その結果、今後、従業員の離職、企業の倒産は避けられないでしょう。
結果的に日本は「絶望的な人手不足」と「若者の海外逃亡」の厳しい現実が待っているのかもしれません。
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