2021年10月12日未明、山梨県甲府市で事件当時19歳の男(青年)が民家に侵入し、住民3人を殺傷して放火した事件(少年犯罪)が発生したことを覚えている方は多いと思います。
2022年4月の少年法改正以降、特定少年(事件を起こした18歳、19歳の呼称)が起訴・実名報道された上で、裁判員裁判において死刑判決を言い渡された初の事件でした。
当初、私も「死刑だよ」と言い張っていた事件でした。当然、事件の内容からすれば当然です。また、これまでの裁判の中で、被告の生い立ちが分かってきました。「実父は窃盗で逮捕」「養父に殴られた生活に限界」などと複雑な生活歴の中で生きてきて、本人が毎日、生きていく上で限界だったのでしょう。
今回、求刑通り被告人に対して死刑が言い渡され、以前から本人が控訴はしないと言ってるため、一審で終了するのでしょう。当然、弁護士は控訴すると思いますが、本人が控訴の取り下げをするとも言っています。
被告人は死刑判決3日前に面会した記者に対し、被告が過去に家庭内で受けていた虐待など苦しかった経験を思い出すことを
「生きていることが辛い」
と率直な気持ちを打ち明けたそうです。その話の間は涙を流し、言葉も詰まっていたそうです。
被害者家族にしてみれば当然の結果だと思います。その上で、今回の事件を死刑だけで終わらせるのではなく、このような事件が起こらないよう考えていかなければいけません。被告が少年時代に受けた悲惨な生活を送らないで済むような、社会的セーフティネットワークの必要性も同時に考えていかなければならない大きな事件となりました。
事件に対し、被告人が罪を償うのは当然です。今回の裁判で知り得た被告のこれまでの生活歴を考えると、気の毒と思ってしまう私が居るのも事実です。被告には、最後まで被害者のことを考えて償ってもらいたいものです。
ケーキの切れない非行少年たち 1 (BUNCH COMICS)
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