中学時代、国語の授業でしょうか。訳も分からず暗記させられた覚えがあります。
平家物語の冒頭から
「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり……」
と苦労して覚え、皆の前で全文暗唱する試験があったような記憶があります。
インドの祇園精舎には無常堂があり、その四隅の軒に下げられている鐘は、修行僧が命を終わろうとするとき「諸行無常」の4句の偈(げ)を響かせ、僧を極楽浄土へ導いたといいます。このように、諸行無常は人生の儚さ、生命の脆さ、そして時には死を意味する言葉として、日本人に馴染み深い語句となっています。
しかし、本来、諸行無常とは、この世のものは絶え間なく変化し続けているという事実を、ありのままに述べたもので、仏教の心理のひとつだそうです。
人が死ぬのも無常ですが、生まれるのも無常、成長するのも無常ということです。不幸な人が幸福に、または幸福な人が不幸になるのも無常なのです。万物は流転しています。だからこそ、努力は必要であり、一瞬一瞬が貴重な瞬間であり、限りある生命を大切にしなくてはならないのです。
決して「無情」ではなかったのです。
大人になって、平家物語に触れ初めて理解してみると、何故中学生の時に授業でやっていたのにも関わらず、何も理解できていなかったのかと反省するとともに、その時に理解できていたならば立派な大人になっていたのではないかと、今になって反省しています。
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