札幌ススキノのホテルで頭部が切断された遺体が見つかり、一家3人が起訴された事件がありました。その母親の初公判が行われ、無罪を主張したそうです。
初公判で、死体遺棄と損壊の幇助(ほうじょ)の罪に問われている母親の被告は、罪状否認で
「あまりに異常なことだったので、娘に対して何も言えず、とがめることもできず、認めることも何もいえませんでした」
と述べ、涙を流しながら
「犯罪を手伝う意思はまったくなかった」
などと無罪を主張したそうです。
また、冒頭陳述では長女である被告は、18歳の頃から
「身体には5、6人の魂が入って体を借りているだけ」
と言い、自分の事を「ルルー」や「シンシア」と名乗っていたそうです。
両親には名前で呼ぶことも許さなくなり、父親を「ドライバーさん」、母親を「彼女」と呼んでいたそうです。
そして、母親は長女に「私は奴隷です」という誓約書を書かされ、リビングに飾られていたなど家族の中で長女が圧倒的な上位者でいた、いびつな関係を明らかにされたようです。
長女は世間的には【多重人格】と言われ、実際の医療現場では「解離性同一障害」と表現されるような精神疾患に侵されていたそうです。
残念ですが、父親は専門である精神科の医師でありながら、自身の長女に対して何も対応できなかったことに対しては、ほとんどの国民は納得いかないことでしょう。
しかしながら一番の理解者であり、専門家でもある父親が近くに居たにも関わらず、何も出来なかったことは、当事者にしてみればこれが普通で現実的なのかもしれません。
この事件は、長女の「解離性同一障害」が大きなポイントでしょう。普通に考えて、被害者男性を殺害し、なお且つ首を切断し家に持ち帰り動画で撮影するほど病んでいたとするならば、どう考えても罪に問うことも不可能で、即、医療施設に強制入院させるべきだと思います。
今後、父親や長女の裁判も始まり色々なことが分かってくるでしょう。しかし、今回の母親の裁判からも分かるように、この家族のいびつな関係が招いた特殊な事件なのでしょう。
本来であれば事件前に、父親が行政に相談し強制入院させるべき案件だったと思います。今後、父親の裁判では医療者としての判断も問われるのでしょう。
このような精神疾患に侵された人の事件は後を絶ちません。家族が異変を感じたらすぐにでも行政機関に相談し、早急な対応が事件を未然に防ぐ第一歩だと思います。
(※裁判で判明した、持ち帰った首の取り扱いなどの異常すぎる長女の行動については、ブログで書くことができない内容が多すぎる事件です。)
ケーキの切れない非行少年たち 1(BUNCH COMICS)
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