2024年7月10日水曜日

老々介護

 老々介護とは、家庭の事情などより65歳以上の高齢者が、高齢者の介護をせざるを得ない状況のことを言います。

 昨年7月に、厚生労働省が毎年公表している「国民生活基礎調査」の一環で、3年に1度実施している老々介護の調査が行われました。

2019年度の前回調査(59.7%)を3.8%上回り、調査が始まった2001年以降、初めて6割を超えたそうです。

また、介護される側も75歳以上の後期高齢者同士の割合も35.7%と前回調査より2.6%上昇したそうです。これは、人口の多い「団塊の世代」(1947年~49年生まれ)が後期高齢者になり、老々介護がさらに増えているそうです。

 次の国民生活基礎調査が行われるのは2026年になりますが、さらに増え高齢者が増え、また本来、訪問介護などでサービスを受ける権利のある方々が、ヘルパー従事者不足による介護を受けることができなくなることも出てくるでしょう。そうなってしまうと、ますます老々介護の状況は悪くなるのでしょう。

 将来的に訪問介護に係る国からの費用は削減され続けることで介護就労者は減っていくと思います。そしてサービスを必要とする高齢者が増えることで社会保険料はますます高騰し、稼いでも給与の手取り額は減らされ、かつ物価の高騰、老々介護と国民生活が立ち行かなくなることは予想できます。

 これも巷で言われている自己責任なのでしょうか。

私たちが就職した頃は60歳で退職し、たくさん年金を貰い毎日を悠々自適に生活ができることを楽しみにしていました。

しかし、現実は違いました。一生働き続ける社会が来るとは誰も思っていなかったのではないでしょうか。

 一つ言えることは、今の介護事業はいつ破綻してもおかしくない状況だということです。

現実には、介護従事者が集まらない、または介護事業では収益的に営業継続が難しいなど撤退や破綻する企業が増えているのも事実です。

その上、サービスを利用したい人が利用できずにいる高齢者家庭も増えているのも事実で、ダブルパンチです。

 最終的には各家庭で対応していくしかないのが、日本国内の現状です。

今後、高齢者が増えていくことは分かっているにもかかわらず、介護事業を行いたいと思う企業が現れないのも事実です。

国では何らかの対応をするとは思いますが、少子化の対策と同じで効果は薄いと思います。いや、効果はないと言った方が正しいと思います。だからこそ今後「老々介護」が当たり前の社会になる、と国でも分かっているでしょう。

 一番大切なのは、何時までも介護を受けずに済むように常日頃から健康に留意し、毎日規則正しい生活を送るしかないでしょう。

健康第一で……。

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