ロッキード事件と言えば田中角栄ですね。この事件は、アメリカの航空機製造大手(ロッキード社)による旅客機(ロッキード L1011型機)の受注をめぐり1976年(昭和51年)2月に明るみにでた世界的な大規模汚職事件です。
この事件は、国内大手航空会社ANA(全日本空輸)が新型ワイドボディー機導入選定に絡み、元内閣総理大臣の田中角栄が1976年7月27日に受託収賄と外国為替及び外国貿易管理法違反によって逮捕され、多くの政治家、その他たくさんの関係者も逮捕されました。また、ANAの若狭社長以下6人の社員も逮捕されました。
ロッキード事件にはいくつかの疑問があります。
ANA側は当初、DC-10型機(ダグラス)とL1011型機(ロッキード)の選定作業があり、DC-10においては貨物室ドアの不具合による墜落事故が相次いでいました。当初購入予定だったのはそのDC-10でした。
しかし、各部門による選定作業において整備性・操縦性・客室取扱など部門による役員会においても賛成多数でL1011に決まった。一機何百億円もする機体を社長一人の意見で購入できる訳がありません。
田中角栄は資源のない日本のために、ロシアやアラブ諸国からエネルギー資源の直接調達を進めていて、田中角栄の追い落としを狙った石油メジャーとアメリカ政府の陰謀だったという説もあります。これには、ホワイトハウス在住記者ジュリー・ムーン(文明子)がヘンリー・キッシンジャー国務長官に「この事件はあなたが起こしたものではないですか?」と問いただしたところ、キッシンジャーは「オフ・コース(もちろんだ)」と答えていたのです。
過去に石原慎太郎が自書【天才】で資源外交において逆鱗に触れた田中角栄をアメリカがロッキード事件で葬ったと述べています。
この戦後初の大型汚職事件で田中角栄は失脚し、ANAは正規の手続きでの役員会で選定されたL1011を購入したおかげで、DC-10の墜落事故は防げ、現在の世界で名だたる航空会社に成長しました。
もし、アメリカの陰謀であったロッキード事件がなかったら、日本は田中角栄のもとでロシアとアラブ諸国から資源を直接取引することで、豊かな日本の将来を築けていたのかもしれません。
(ロッキード事件に関して沢山の書籍が出ていますので、興味のある方は読んで頂ければ幸いです。)
0 件のコメント:
コメントを投稿