2016年に大阪府門真市で川上幸伸さん(当時43歳)が刺されて死亡、子ども3人が重傷を負った事件で、遺族が坂部裕眞・旧姓小林裕眞(30歳)と母親に7,200万円の損害賠償を求めていた裁判が行われていました。大阪地裁は受刑者と母親に賠償を命じる判決を言い渡しました。
刑事裁判では、小林受刑者に「妄想型統合失調症の影響があった」として、懲役30年が言い渡され、2019年に刑が確定しています。遺族は「受刑者のほか、受刑者に対して適切な治療を受けさせなかった母親にも責任がある」と訴えて、小林容疑者とその母親に7,200万円の損害賠償を求めていました。
令和4年10月25日に開かれた判決で大阪地裁は、小林容疑者と母親に6,200万円の賠償を命じる判決を言い渡しました。
遺族記者会見で「犯人だけではなく、その家族も問われることを知ってほしい」。また、「勝てて嬉しく思います。これで決着がついてホッとしています。これからはこのような事件が起きないことを祈ります。この裁判での過程はしんどかったです。やっと普通に過ごせるようになりました。今回の裁判を通じて犯人だけでなく、その家族も問われることを知ってほしい」と。一方、小林受刑者からは未だに謝罪の言葉はないようです。
「謝罪の手紙などは未だに一切ない。自分だけ逃げるのは悔しいし、耐えられないです。一生罪と向き合って生きてほしい」と……。
近年、事件のある度に犯人は「統合失調症や発達障害」などで減刑を求める弁護人の言葉を耳にします。犯人家族は一緒に生活していて、普段の行動から受診させるなどの行動を行わないことに対して、民事裁判で家族までが賠償命令を受ける判例が出たことは画期的だと思います。しかし、犯人の家族にしてみれば「統合失調症や発達障害」などの病気を発症している者と生活していること自体、生活がいっぱいいっぱいで大変だと思われます。
だからこそ、行政に相談・依頼し対応してもらうことが、人が亡くなる悲惨な事件が起きることを阻止できたかもしれません。
今回の事件で受刑者と、その家族に対して6,200万円の賠償請求が出ましたが、自己破産等の手続きによって賠償されることは、まず100%無理だと思われます。
この賠償請求自体が事件の抑止力になることと、「統合失調症や発達障害」などの病気を持った家族が行政の応援(協力)を得て、通院させるようになってくれる一助になることを願わずにはいられません。
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