ひとり親方といえば、大工さんなど手に職がある人が1人で仕事を受けている職人さんのイメージしか知りません。
今、暴力団に置かれている現状を象徴するような事件が相次いでいる中「神戸ラーメン店主殺人事件」が2023年4月22日に発生しました。神戸市長田区のラーメン店で余嶋学(よじままなぶ)店主(57歳)が銃で撃たれ殺害されているのが見つかったそうです。
その後、驚きの事実が明らかになり話題になっています。
一つ目は「銃口を口に入れられて殺害」。
警察が余嶋さんの遺体を調べたところ、なんと頭から銃弾のようなものが見つかり、拳銃を口に突っ込まれて、発砲された可能性があることが分かったようです。
二つ目は、犯人が拳銃を持ち帰り、強い殺意に基づく犯行と言えるようで、また、なぜ、ラーメン店の店主が射殺されたのか、二つについて話題になっているようです。
実は「余嶋店主は、暴力団組長だった」そうです。
しかも、あの「山口組」系、弘道会傘下の組長という肩書を持っていることが判明したそうです。
ただ、周囲の人たちは、余嶋さん=組長、ということは知られていなかったようです。
そもそも、今回の事件で最も驚かされたのが、何故「暴力団組長がラーメン屋さんの店長をしていた」ということです。
かつての暴力団であれば、ラーメン店を「隠れ蓑」にし、不正に金を稼いでいた可能性はあるようですが、余嶋組長は『本気』でラーメン店経営に取り組んでいたとされています。
そのせいか(おかげか)、余嶋組長の評判とラーメン店の評判は
「コクがあって本当に美味しかった」「お店の方は腰が低くてとっても一生懸命」
といった声があったようです。
現在の暴力団は、暴対法の規制強化により経営活動がかなり制限され、今や暴力団員というだけで、銀行口座さえ開設できない時代となったようです。
当然ながら警察当局の取り締まりも厳しく、いわゆる暴力団の稼ぎである「シノギ」が成り立たなくなっているようです。
最近はよく「暴力団ではメシが食えない」などとも言われ、暴力団の状況も非常に苦しいようです。
一方で暴力団である以上、上部組織に対して、会費等の上納金を納める必要があります。この上納金がかなりの負担になり余嶋組長は組長とは言え、子分のいない組長兼組員の「ひとり親方」として、ラーメン店の店主として働いていたようです。
一般的には、暴力団を辞めればいいのではないかと言われがちですが、余嶋組長は、色々なしがらみから、暴力団をやめるにやめられなかったのでは、とみられているようです。
日本では、超高齢化が大きな問題になっていますが、暴力団も全国で、2万2400人とここ18年連続で減少し、三分の一以下に減ってしまったようです。
また、構成員の高齢化も進み、将来的には暴力団の構成員も自然消滅し、逆に半グレのような若者が台頭してくるのでしょうか。
寂しさ半分、怖さ半分の未来がやってきそうです。正直、怖いです。
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