空港施設といえば、日本全国にある空港の関連施設の提供をしている会社であります。また、大株主にはANA、JALがそれぞれ株式を21%保有し、日本政策投資銀行が約14%を保有しているので、ANA、JALの意見は強力です。
今回、国土交通省の元事務次官による人事介入問題がありました。当時の乗田俊明社長に国交省者を次期社長に就任させるなどの人事介入が発覚し、元事務次官の要求を突っぱねた社長として有名になった方です。当然責任感も強く、ダメなものはダメと筋の通せる立派な社長でした。
しかし、今回6月29日に開かれた株主総会では、経営者側が提案した国交省OBを除いた取締役候補9人の人事案が諮られ、このうちJAL出身の乗田社長の再任案だけ反対多数で否決されました。
関係者の話によると、大株主の1つ、ANAが人心を一新すべきと反対に回ったそうです。また、本来なら賛成すべきJALも反対に回ったことには余程の忖度を感じます。唯一、大株主である日本政策投資銀行は当然の賛成案に投じたことに対しては良識を感じます。
結局は、日本の航空政策を牛耳る国交省のトップの逆鱗に触れる対応をした乗田社長の再任案を、反対するANA、JALには程々がっかりです。当然、ドル箱である羽田空港の発着枠を得るためには、国交省の顔色を窺わなければならない事実もあるので、仕方ないのでしょう。
今回の反対票を投じたことは、決して国交省からの圧力があったとは考えられません。ただ、ANA、JALが今後の生き残りのために忖度したことに違いありません。
JALにしてみれば、元役員だったので苦渋の決断で反対は仕方がなかったと思います。
ANAにしてみれば、今回のコロナ禍による国からの莫大な資金援助がなければ倒産していたにも近い会社が、今回の空港施設の元社長に対しての反対票を投じたことを、国民はしっかり見ています。
「正しくなかった」と、私自身も残念ですが、ANAを応援できなくなりました。
今後、反対票を投じた事実に対して、たくさんの国民が反応するでしょう。反対票を投じなければならなかったJALとは、まったく反応が違うと思います。ANAは一層コロナ後の立ち直りが難しいのではないでしょうか。
以前から官僚の天下りが問題になっていましたが、どんなに禁止しても天下りはなくなりません。天下りをなくすのではなく、今後、所属していた省庁と全然関係ない企業への天下りのみを認めたら、と思います。そうすれば力を削ぐことが可能となり、公正な企業の運営ができるのではないでしょうか。
今回、空港施設の元乗田俊明社長を潰してしまったANAが今後、適切な判断の出来るリーダーが出てくることを願います。
「現在窮乏、将来有望」
残念でなりません。
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