船乗り猫(ふなのりねこ:Ship’s cat)は船で飼われる猫であり、古代から多くの商船や探検船、海軍艦艇にとってありふれた存在であったそうです。
猫を船に乗せる理由は、猫には神秘的な能力があり、天候を変える力があると信じられてきたからだそうです。現実的な理由としては、船内のネズミを捕まえるために乗せられてきたとも言われています。ネズミが船の中に居ると、船のロープや木製品、電線などを噛んで傷付けたり、乗組員の食料を食べ穀物などの積み荷に経済的な被害をもたらします。また、長期間海上にいる船にとって、ネズミは危険な病気の媒介者になりうるため、猫にネズミを捕獲させることが本来の目的だそうです。猫は齧歯目(げっしもく)動物を攻撃し殺す本能が備わっているからです。
そして何といっても長期間、船上にいる人の心を癒す目的もあるそうです。
有名な船乗り猫は何匹もいますが、今回は【ブラッキー(Blackie)】について書いていきたいと思います。
【ブラッキー(Blackie)】はイギリス海軍の戦艦プリンス・オブ・ウェールズの船乗り猫です。第二次世界大戦中の1941年8月に、密かにアメリカ合衆国大統領フランクリン・ルーズベルトと数日間会う為にイギリスの首相ウィンストン・チャーチルをプリンス・オブ・ウェールズがニューファンドランドのアルジェンシャ海軍基地へ運んだあと、世界的に名声を得たそうです。この会談は太平洋憲章の宣言に結び付きました。
チャーチルがプリンス・オブ・ウェールズを下船しようとした時、ブラッキーが近付きチャーチルは立ち止まってブラッキーに別れの挨拶をしたそうです。その瞬間の写真が全世界に報じられ、この訪問の成功に敬意を表して、ブラッキーはチャーチルに改名されたそうです。
同月12月にプリンス・オブ・ウェールズがマレー沖海戦で大日本帝国海軍航空隊に沈められた時、ブラッキーは生き残り、生存者と共にシンガポールへ連れていかれたそうです。翌年、イギリス軍がシンガポールから撤退する際にブラッキーは見つからず、その後の消息は不明だそうです。
今、ウクライナの前線陣地では大量のネズミが発生し、ウクライナ兵が噛まれたり電子機器を壊されたりしているそうです。大切な食糧も食べられてしまったことから、陣地内で大量のネズミ駆除のためにネコ戦士が動員(どうニャン)され活躍しているそうです。
いずれも戦時下なのでネコの命も保証できない状況ですが、ウクライナの平和のために戦いに頑張って欲しいと願わずにはいられません。きっと終戦後には日本からネコ戦士に大量のチュールが贈られると思います。必ず贈りましょう。
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