余命を意識し、未経験の書画を学ぼうと大学に通って2年。無鉄砲な挑戦だったが、病を忘れるほど没頭し
「頑張っても人生は楽しめる。次は大学院へ」
と私欲は尽きないそうです。
「肺に無数のがんがあり、延命治療はできない」
この女性は闘病を始めて、7年を迎えた77歳の冬、主治医からそう告げられたそうです。
父親をがんで亡くしており
「私にも来たか」
と覚悟を決めたそうです。同時に
「しんどうだけの余生は嫌だな」
との思いがこみ上げてきたそうです。そんな時、同大学が通信教育の書画コースト開設すると知り、
「字が苦手で、最後に自分の名前くらい綺麗に書きたい」
との思いから、カルチャー教室に通う感覚で入学申し込みをしたそうです。
入学してみると、現実は違い短大卒業資格で3年生に編入すると、オンライン授業で、学ぶのは本格的な書道と水彩画でペン字はなく、実技以外に中国伝来の漢字文化や書画理論を学ぶ講座などもあり愕然としたそうです。
「思い描いていたことと違う。でも、人生最後で投げ出したくない」
と、押し寄せる課題制作やレポート執筆を必死にこなしたそうです。初心者だったが、少しずつ上達し
「面白い。この年齢で新しい世界を知った」
と感じたそうです。気が付けば単位を一つも落とすことなく、今春の卒業資格を得たそうです。
抗がん剤を毎日服用し、肺に病巣がある影響で長い距離を歩くと呼吸が乱れる。ただ、書画に親しむ時間は闘病の辛さを忘れさせてくれたそうです。4月には同級生ら15人と卒業制作展を開く予定だそうです。
「がんには逆らえない。病を受け入れ、今を生きる幸せを感じていたい」
と女性はたくましく笑ったそうです。
高齢で「肺がんのステージ4」と言えば日常生活もままならないです。かつ足腰も辛いだろう女性が目標に向かって行く姿を想像しただけで感動です。本当であれば、疲弊し毎日、1歩ずつ死に近付く生活をするのが当たり前ですが、抗がん剤を服用しながらの勉強は大変だったと思います。
もしかしたら「病を受け入れ、今を生きる幸せを感じる」ことこそが、効果抜群の薬なのかもしれません。
どんな状況になろうとも、この女性のように全てを受け入れ目標に向かって生きたいですね。
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