子どもの頃、ご飯を食べてお腹いっぱいになった後に寝ると、親から必ず
「食べてすぐに寝ると牛になる」
と言われました。しかし、食事後のゴロ寝は気持ちが良く、習慣化している人も案外多いのではないでしょうか。
一般的には、食事後のゴロ寝は「行儀が悪い」とされていることから、戒めの言葉として「牛になる」と言われるようになったという説もあるそうです。
また「牛のように太ってしまう」「消化が悪くなる」などと健康に良くない行いとして認識している人も居ます。
では、医学的な点から考察してみるとどうでしょう。食べ物が胃に入ると、胃酸や消化酵素によって食べ物が分解され、ドロドロの状態に変化します。その後、胃の働きによって、ドロドロの状態の食べ物が十二指腸に運ばれます。ここまでに掛かる時間は3~5時間程度だそうです。十二指腸を含む小腸は消化酵素によって食べ物をアミノ酸やブドウ糖に分解し、小腸の表面から吸収して血液中に運んでいます。
このことから昔から言われている「食べてすぐに寝ると牛になる」という言葉については「太りやすくなる」「消化が悪くなる」と解釈している人も多いようです。このことから、医学的には「事実」と言えるようです。
本来は胃から腸へ向かって消化されながら移動する食べ物が、食事後すぐに横になることによって、胃での滞在時間が長くなったり、食道へ逆流したりして、消化吸収が悪くなる可能性があります。
小腸から吸収されたブドウ糖は血液を介して肝臓に運ばれます。その一部は「血糖」として血液中で利用され、肝臓に貯蓄できなかった余分な糖は脂肪として蓄積されます。食べ過ぎて過剰な糖質を摂取した時や、食後横になって体を動かさない時に、脂肪の蓄積が起こりやすくなるそうです。
また、「食後、横になってそのまま眠ってしまった」という場合は、さらに注意が必要だそうです。
寝ている状態では、胃腸の働きや機能自体も弱まるので、ただ横になるだけの時よりも更に大きな影響があります。眠ってしまった場合は、その間のカロリー消費が基礎代謝分しかないため、食後の血糖値が上がりやすく脂肪の蓄積にも繋がります。
昔から言われている「食べてすぐに寝ると牛になる」は間違っていなかったようです。
考えてみれば子どもの頃、給食が終わってすぐに昼休みなので校庭で遊んでいたことを思い出します。遊んでいることで適度に身体を動かしていたので、太らなかったのだと納得しています。
今では、夕食でお酒をたらふく飲んで、お腹がパンパンになるまで食事をし、食後はすぐに横になっています。それはどう考えても太りますよ。納得です……。
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