今、パリオリンピックは熱戦の幕が上がりました。
しかし、日本国内はパリオリンピックの熱戦よりは、毎日の猛烈な暑さの方が話題になっています。
さて、本来オリンピックと言えば平和の祭典です。
今、世界では2つの大きな戦争が行われています。そんな中、開会式にパレスチナ選手団が競泳や柔道などの競技に8人参加したそうです。
ガザでの戦闘開始以降、300人を超える選手やコーチなどが犠牲になっているそうです。
パレスチナの競泳男子のヤザン・アルバワフ選手は
「私たちは人間であり、パレスチナ人であることを世界に示したいのです。メダルが取れようが、取れまいが……」
と発言しているそうです。また、バレリー・タラジ選手は
「大勢の人が溺れているのを見て本当にショックだった。ガザの子どもたちに水泳を教えようとしていた矢先だったのに……」
と発言していたそうです。
今回のオリンピックでは、ロシアと同盟国ベラルーシに対して、IOC(国際オリンピック委員会)は「ウクライナ侵攻を支持しない」などの条件を設け、個人としての参加のみ認めたそうです。
これに対しロシアのプーチン大統領は反発し、今ロシアではオリンピックとは別のスポーツ大会「フレンドシップ・ゲームズ」を計画中だそうです。オリンピック以上の競技種目が実施され、オリンピックに代わる平和の祭典に置き換えようとしています。
かつての古代オリンピックは、戦争状況にある都市国家が「休戦協定」を結んで開かれた、と伝えられています。
今回のパリ大会でも、国連では「休戦決議」が採択されました。7月26日の開会式ではピアノが炎に包まれる演出の中、平和を希求する曲「イマジン」が演奏され、橋には平和の象徴である鳩のイルミネーションが演出されました。
こうした平和への呼びかけにも関わらず、戦火は止みませんでした。
度重なる内戦を経て、今なお武力衝突が続き人口の半分以上が今年、危機的レベルの飢餓に陥るされるなどの深刻な人道危機に直面している南スーダンから参加者も居ます。男子800メートルに出場するグエム・アブラハム選手は
「多くの選手はお金がないので靴を買うことが出来ません。素足で走り、硬い石を踏みつけ、血が出ています……」
「私が走ることで、内戦下の国民が一つにまとまれると信じています。少しでも国が平和になる手助けになれれば良いと願っています。」
と話しているそうです。
日本選手は、子どもの頃からオリンピックに参加し世界一位になりたいと願い、血の滲むような努力をしてきているでしょう。
しかし、グエン・アブラハム選手のように
「少しでも国が平和になる手助けになれば……」
と目的や目標が違う選手が参加しているのも事実です。
本来、オリンピックは平和の祭典です。日本人選手の一人ひとりが平和の祭典であることを認識し、挑戦して欲しいと願わずにはいられません。
私は今の世界状況を考えると、日本選手団を応援する気にはなれません。ヤザン・アルバワフ選手、バレリー・タラジ選手、グエン・アブラハム選手達を応援したいと思います。
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