ある日、その連絡は突然届きます。
弊社は訪問介護事業を主たる事業として運営しているため、厚生労働省の資料「介護保険施設等運営指導マニュアル」に基づいて、山梨県の担当部局の職員が各事業所に出向きます。適正なサービスが実施されているかを確認するために、原則として指定又は許可の有効期限内に少なくとも1回以上実施されます。
訪問介護事業所の場合は、指定期間が6年となるため、おおよそ6年に1回以上の頻度で実施されています。この指導のことを以前は「実地指導」と呼んでいましたが、現在では「運営指導」と呼ばれるようになりました。
これまでは重箱の隅をつつくような指導がなされていたため「実地指導」と聞くと、経営者の皆さんは当日を迎えるまで、緊張の毎日を過ごしていた時期でもありました。
現在は「運営指導」と呼ばれるようになってからは、以前のような厳しさは無くなったような気がします。(※ただし、私の主観です。)
この「運営指導」の連絡は、2ヵ月ほど前に「実施します」と郵便がやってきます。
この連絡が届くと、指導当日まで憂鬱な日々が続きます。当日は色々質問等され、質問に対し一つ一つ応えていく流れになります。
私は何時もこの指導時に「報酬が少ないから大変なんですよ」と文句を併せて言わせてもらっています。
しかし、当の担当者はあくまでも「運営指導」に来ている訳であって、私たちのクレームを聞きに来ている訳ではないため、迷惑千万な話でしょう。
それでも、私たちはこの時とばかりに溜まっているクレームを伝えますが、何も改善される訳がないと分かっているのですが……。担当職員さん、失礼しました。
現在、社会は人手不足により、特にヘルパーの成り手はほぼ居ないのが現状で、また介護事業所を閉鎖する企業が近年増えているのも事実です。
原因は仕事のボリューム(量)に対して低賃金でヘルパーの成り手が居ない上、人件費が高騰し、利益を上げられないため企業利益が赤字のところが増えているため、撤退する企業が増えているのも事実です。
そのようなこともあり、以前のような厳しい指導をしていたならば、ますます撤退する企業も増えてくるでしょう。
このような時代背景もあり、以前のように厳しい指導をしなくなったのも根底にあるのかもしれません。
次の「運営指導」は5年後でしょうか。
問題が無ければ指導を受けることになりますが、その前に訪問介護で収益をあげ健全な運営が続けられるか分かりません。今後、ますます社会は激変し介護事業だけでは企業経営は不可能でしょう。
きっと、5年後に指導されているとすれば会社として、介護事業以外での事業拡大もなされているのでしょう。
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