このところ、政治家がここ数年で最低時給を1,500円まで値上げすると言っています。この値上げについては、具体的に経済をどのように持って行き最終的に1,500円に値上げできるように取り組みます、という話ではありません。ただ単に数字だけを前面に出して値上げをします、と国民にアピールしています。
今、全ての物が値上がりしている社会の中で、日本国内にある90%以上の中小零細企業が対応できるのでしょうか。某経済団体のトップの大手上場企業のサラリーマン社長は
「値上げできない企業は国が助ける必要はありません。撤退して下さい」
と言っているほどです。
このような市場を分かっていない方が経済団体のトップに居ることすら、はたはた疑問です。
さて、私は今人手不足で嘆いている訪問介護事業を生業としています。現状、国から支払われる最低限の介護報酬が1時間あたり1,970円で、ヘルパーに対して最低時給1,500円にガソリン代、社会保険料、アルコールやマスクなどの備品代、それ以外に事務所運営費などが必要になってきます。
ちなみに2024年4月からは国からの報酬が減らされたばかりで、反面、政治家や経済団体代表は「最低賃金の値上げしろ……」のコールです。
簡単に言いますが、1,500円支払えるわけがありません。もし、1,500円が支払えないような企業は撤退しろ、というならば殆どの介護事業経営者は撤退するでしょう。
今回、大口を叩いた経済団体代表の方は、中小零細企業の経営者に対してすぐに謝罪するべきです。
私たち経営者は出来ることならば値上げしたいです。現状、国内の経済状況を考えれば値上げは不可能ですし、最低時給1,500円貰えるならば皆欲しいに決まっています。
しかし、国民は現状、最低時給を数年の間で1,500円になると思っている人は殆どいないと思います。
これこそが日本国内の状況であり、市場を分かっていない政治家と経済団体代表の無策が、今の貧困層を増加させた原因だと思っています。
何時になったら国内の経済状況が理解できる政治家や経済団体のリーダーが誕生するのでしょうか?
もしすれば、落ちるところまで落ちるしかなさそうです。
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