火葬後に出る「残骨灰」を売却する自治体が増えてきているそうです。
残骨灰には金歯などの貴金属が含まれているためで、九州・山口の県庁所在地と政令指定都市計9市のうち、福岡、長崎など5市が実施しているそうです。
いずれも骨は供養しているそうで、売却についての周知が十分ではないとの調査結果もあり、識者は
「自治体は取り扱いの透明性を高めるべきだ」
としているようです。
昨今の貴金属価格の高騰もあり、今年度から残骨灰の売却を始めた長崎市の担当者は
「貴金属価格の高騰や他都市の状況も踏まえ、売却を決めた」
と説明しているそうです。
市はこれまで低価格で残骨灰の処理を業者に委託していたが、今年度から火葬1件あたり数千円で売却する方針に転換したようです。年間の火葬は6800件あるそうで、収益は火葬場立替などの基金に充てるそうです。
(これまでは残骨灰を処理するために、業者に料金を支払っていたそうです。現在は逆に業者からお金を頂いていると考えると、これまでは業者が処理にお金を頂いて、なおかつ貴金属など有価物の回収をし販売した金額の両面からお金が発生していたのでしょう。)
残骨灰には、遺族が収骨しなかった骨や灰、貴金属などの有価物、副葬品、ひつぎの燃えがらなどが含まれています。大審院(現・最高裁)の1939年の判例で、残骨灰の所有権が自治体にある、と判断が示されているため問題ない行為とされています。
しかし、残骨灰の取り扱いを定めた法令はないため、厚生労働省は「市町村が判断するもの」としているそうです。長崎市の担当者は
「売却することで、市民に還元できる」
と話しているそうです。
この残骨灰の取り組みは住民には浸透していないため、厚労省の事業で全国の火葬場(354施設)を対象に23年度に行われた調査で、残骨灰の処理方法を住民らに説明していない、と答えたのが82%以上に上がったそうです。
逆に死者の尊厳や遺族感情を配慮して、売却に慎重な自治体もあるそうです。
しかし、昨今の自治体の財政力を考えると、残骨灰を販売したお金で、火葬場の基金として修繕費や将来の建て替え費用として使用することは良いことではないでしょうか。
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