2021年度の神奈川県と県内33市町村に集まった「ふるさと納税」の納付金は計155億203万円で過去最多になったことが、総務省の調査で分かったようです。これに伴う住民税の控除額が今年度計595億4692万円で過去最多となり、横浜市や川崎市では「流失」が拡大しているようです。
例えば、年金500万円の独身会社員が「ふるさと納税」で6万円寄付すると、翌年に5万8000円分の税金が控除され、さらに1万8000円相当(寄付金の30%)の返礼品がもらえます。(返礼品を貰う為の実質負担は2000円)
「ふるさと納税」のメリットとして、
①応援したい自治体に寄付ができる。
②使い道が指定できる。(環境保護、子育て支援……等)
③お礼の品が貰える。
④所得税と住民税から控除される。
といったものがあります。
しかし、「ふるさと納税額」の半分が、返礼品手数料と事務手数料として経費が掛かるそうです。元々、規模の小さい市町村で納税額が少ない地域であれば、ふるさと納税額の半分は経費として掛かったとしても、頑張ればたくさんの税収を得られることになります。
ふるさと納税者や小さい市町村であれば美味しい制度でしょうが、日本全体としての納税額を考えると「ふるさと納税」として入ってきた半分の金額が経費として無くなってしまう。そのことを考えると、何ともお粗末なシステムでしょう。
将来的には消費税は上がっていきます。どう考えても「ふるさと納税」が増えれば増える程、何らかの形で消費税以外の増税は待ったなしでしょう。私は、美味しいシステムと分かっていても納得できないので「ふるさと納税」をしたことがありません。
総務省から毎年「ふるさと納税」が過去最高額です、と発表されていくことが予想できるので恐ろしいです。
もう一度、納税システムの検討をし、国民の納得のいく納税の制度設計が必要な時期に来ているのでしょう。
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