私がおすすめする絵本の一つに「100万回生きたねこ」があります。
発売45周年を迎えた周年本が発売されることを知り、Amazonでいつもの「ポチ」をしていました。
そして忘れていた頃に届きました。何も知らず購入した絵本が2000冊限定でナンバリング付き、価格がなんと4,950円と「ビックリ」してしまいました。
この絵本は、1977年に出版された佐野洋子作の絵本です。
内容は、輪廻転生を繰り返している一匹の猫が、やがて運命の相手と出会ったことで愛や悲しみを知っていく様を描いた、哲学的な要素を含んだ作品です。子どもから大人まで支持を得ていて『絵本の名作』とも呼ばれています。
主人公の猫は、あるときは一国の王の猫、あるときは船乗りの猫となり……。
100万回生まれ変わっては様々な飼い主の下で死んでいき、どの飼い主も猫のことが大好きで、その死に泣くほど悲しみます。猫は自分だけが大好きで、それぞれの飼い主のことは大嫌いでした。何度も生き返るので、死ぬのも特に恐れていなかったのです。
ある時、猫は誰の猫でもない立派な野良猫となり、100万回生きたことを自慢します。魅力を感じた周囲のメス猫は恋人になろうとプレゼントを持ってきたり、毛繕いをして猫にすり寄ってきました。
猫はそのことに気をよくしていましたが、唯一自分に関心を示さない、自慢話にもそっけない一匹の白猫が気になります。何とか気を引こうとするうちに、いつの間にか、ただの白猫の傍に居たいと思うようになりました。
白猫も猫を受け入れ、白猫と一緒にいるようになった猫は、自慢話をしなくなりました。
時が経ち、白猫と猫の間にはたくさんの子猫が生まれました。猫はあれだけ大好きだった自分より、白猫や子猫たちの方が好きになっていきました。
やがて、子猫達も立派な野良猫になり、猫の元を去って行き、猫は白猫とこれからもずっと一緒にいたいと思っていました。しかし、白猫は段々と老いてゆき、ある日、猫の傍らで静かに動かなくなりました。
猫は生まれて初めて泣きました。動かなくなった白猫を抱きかかえ、昼になっても夕方になっても夜になっても泣き続け、100万回泣き続けたある日のお昼に、猫は泣き止みました。
そして、猫も白猫の隣で静かに動かなくなり、もう決して生き返らなかったのです。
いくつになっても感動できる絵本はたくさんあります。
時々、時間を作って心に栄養を与えて下さい。おすすめの一冊です。
0 件のコメント:
コメントを投稿