そして、貸し出している側の国土交通省は「被害者支援の充実」として2023年度からの賦課金(現在32円)の値上げを発表しました。被害者支援を充実させるためと言うのなら、財務省に貸し付けている6000億円を、耳を揃えて返済してもらえば済む話なのですが……。
国土交通省は、一般ユーザーである国民に対する値上げで対応することとしました。最大で150円。額だけ見れば大したことないと思うかもしれませんが、もとをただせば、財務省が返さないままの6000億円を返済すれば済む話です。財務省が返さないから国民に負担させるとは、国民が納得するわけがありません。
これに対して、2022年11月11日に鈴木俊一財務大臣は「申し訳ない」と述べました。それで「1回でお返しするのは無理」として完済の目処がないことも認めました。2022年度は54億円返済するそうで、このままなら100年経っても完済できません。また、これに対し、鈴木財務大臣は7億円の繰り戻しと補正予算の12.5億円を追加すると表明しましたが、このペースでも完済するのに85年掛かるそうです。
つまり、22世紀までには自賠責の積立金は戻ってこないことが、現実的になりました。
2017年、当時のJAF(日本自動車連盟)会長はこの件に対して「踏倒されるのでは」と予想していました。まさに、今回の鈴木財務大臣の言葉から「踏倒」宣言されたようなものです。
そもそも、この6000億円は自賠責の積立金であり、道路特定財源などの目的税を一般会計に留保するなどの手口とも違い、民間なら「詐欺罪」で訴えられてもおかしくありません。
この返済先延ばしの値上げは、与野党による圧倒的多数で2022年6月9日に可決され成立(6月15日公布)されました。
自民・公明・国民・立件・維新が賛成に回り、反対したのは国民から否定的な政党だと言われている共産党・れいわ・院内会派の有志のみでした。
今回の無茶苦茶な法案が国民から否定的に言われている政党が反対してくれたことに、国民の私たち一人ひとりが称賛すべきです。
今後、行われる選挙では、日本の将来を真剣に考え投票すべき最後のチャンスが到来したのでは、と感じている私がここにいます。
今後、実施される「選挙に行って意思表示」をしましょう。
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