2023年3月3日金曜日

子牛暴落

 千葉県の家畜市場で、生後80日以内の子牛を対象にした競りが行われました。

その日のホルスタインの雄1等の平均価格はおよそ3万2,000円で、1年前と比べると3分の1以下の値段だったそうです。さらに、中には最低価格の1,000円でも買い手が見つからず、取引が成立しない場面もあったようです。買い手がつかなかった子牛は飼い主の元に返されるか、食肉用に加工されるそうです。

 この子牛の価格の大幅な下落の原因は、飼料代の高騰だそうです。千葉県家畜協同組合によると

「子牛を買って育てますよね。飼育農家(家畜農家)だって、配合飼料が高いじゃないですか。餌代が高いから、相場を下げて子牛を買わなきゃいけない」

とのこと。この子牛を育てた酪農家が年間、約7,000万円の返済目処がたたず悲鳴をあげているようです。

 国は2014年に起きたバター不足を受け、乳製品などの安定供給を維持するために補助事業を展開し、この牧場では新しい牛舎を建設しました。さらに、ロボット搾乳機を導入し作業の自動化を行う等、それまでの3倍にあたる300頭規模に拡大したばかりだったそうです。

「当初の計画では300頭くらいにすれば、生活もできるし借入の返済もできるという計画の元に、今回の事業が始まった。」

「返済の目処が立たず。この状況では、乳価が上がらない限りは皆で首をくくらないとならない。やめられる酪農家は幸せかもしれない。うちは借金しちゃいましたから、やらざるを得ないですけど。後は日本の食を守るという点でも辞めたくないです。」

と酪農家の方は語ります。

 世界的に、ロシアによるウクライナへの侵攻は、このような形で酪農家までも影響を受けています。

現在、日本ではコロナ禍で需要が急減し、生乳の販売で利益が出にくい状況にもなっています。

今回の色々な問題が絡み合った状況を考えると、借入も10億円以上し、年間返済額も約7,000万円とのこと。この返済を10年以上続けることは、今の社会状況を考えると、この酪農家は経営を続けることは難しいのではないでしょうか。

また、国として酪農を守るという前提としても、いち酪農家を守り切れる時代でないことも、私たち国民は分かっています。


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やっぱりね!

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