世界的に豊かに見える日本ですが「隠れた貧困」は身近に存在します。また、この貧困が実は「貧困が貧困を生む」連鎖が未来永劫続いていくそうです。
OECD(経済協力開発機構)によると、世界主要国の相対的貧困立トップは南アフリカで27.7%。ブラジル、コスタリカ、ルーマニア、イスラエルと続き、何と日本は12位で15.7%(2018年データ)だそうです。
経年で見てみると2000年代初頭、日本は主要国で3~5位と相対的貧困率が高い国でした。その後、下降傾向となり2015年には17位となりました。しかし、その後は再び上昇傾向にあるようです。
相対的貧困率は、等価可処分所得(世帯に可処分所得を世帯人員の平方根で割って調整した所得)の貧困線(中央値の半分)に満たない世帯員の割合を示したものです。ちなみに可処分所得は所得から税金や保険料を差し引いたものです。厚労省によると日本の貧困線は127万円。単身世帯で124万円、2人世帯で175万円、3人世帯で215万円、4人世帯で248万円とされています。
また、貧困には相対的貧困の他に絶対的貧困という言葉もあります。これは生きる上で必要最低限の生活水準が満たされていない状況を指し、どちらかというとこちらの方が「貧困」のイメージが近いと思います。
現在は世界銀行による国際貧困ラインを基準に、必要最低限な生活物資を購入できる所得、または支出水準に達していない人を絶対的貧困者と呼び、そのラインは1日1.9ドル(2023年7月頃、1ドル140円と考えると266円程度)とされています。この水準が妥当かの議論がされ、報告書によっては1日当たり3.2ドルや5.5ドルとしたものもあり、1日3.2ドル以下の世帯は世界の4分の1、5.5ドル以下は半数近くにのぼるといわれているようです。
実際、日本では見えにくい状況ですが、現状、相対的貧困率が世界12位という事実があるので受け入れなければならないでしょう。
このデータから親の学歴と貧困も密接に関係し、十分な学歴を積むことができなかった親が「俺らみたいになるなよ」と子どもには高い教育を受けさせ進学させる家庭があるものの、その数は少数だそうです。結局は貧困が貧困を増殖している現実があるようです。
今、政府が将来の少子化のために色々な取り組みを行っていますが、真の原因は国力低下による貧困層の増殖を止めることが先だと思います。
もしかしたら貧困層の対策をすることが、少子化を止めるための対策になる可能性もあるのかもしれません。
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