「年を取って介護が必要になっても自宅で暮らしたい」と思った場合、頼りになるのが介護保険での介護訪問です。ヘルパーが家に来て、家事をしてくれたり、身体が不自由な場合は食事や入浴の介助をしてくれたりする制度です。地方の町村部では、その大きな担い手になっているのが「社会福祉協議会(社協)」という公的な役割を持つ団体です。
ところがここ数年、全国各地で社協が訪問事業をやめる例が相次いでいます。ここ南アルプス市の隣の韮崎市でもやめてしまいました。
社協と聞いても知らない人も多いかと思われますが、民間の介護福祉サービスが多くある大都市圏では、存在感が強くありません。逆に、人口の少ない地方では住民生活に欠かせない大きな役割を果たしています。
社会福祉法という法律に基づき設置されている団体で、47都道府県と1741市区町村全てにあり、介護や障害福祉サービス、子育て支援のほか、赤い羽根で知られる共同募金運動への協力などの事業を実施しています。
また、住民や企業から集めた会費、自治体からの事業委託費や補助金で運営していて、災害時のボランティアセンターの開設や生活困窮者への資金貸付なども行っています。その中の事業の一つとして、介護保険事業も行っているのです。
多くの社協が近年、訪問介護をやめる例が続いています。都市部で一般の民間事業者との競合を理由に撤退するケースもありますが、多くはヘルパーの高齢化や人手不足、また、介護報酬が見合わないなどで事業の収益悪化などが原因になり「訪問介護は赤字」という社協は多いようです。
どのくらいの社協が訪問介護事業をやめているかというと、この5年間に少なくとも218ヶ所が廃止や休止をしています。この件数は社協だけなので、営利法人を含めれば結構な件数になるようです。
今後、ますます訪問介護サービスを利用したい高齢者が介護難民として発生することも予想できます。また、国が介護報酬を上げたところでヘルパーは中々集まらないでしょう。将来は、家族が何らかの形で高齢者の面倒を見なければならない時代がそこまでやって来ているのも事実です。
訪問介護事業を運営している私でさえも先が見えません。
一つ言えることは、何時までも健康に留意して
「ピンピンコロリ(死ぬ直前まで元気で過ごして、病気で苦しんだり、介護を受けたりすることがないまま天寿を全うする生き方)」
しかないと思っています。
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