胃がんの診断を受け死亡した航空社会のCA(客室乗務員)が宇宙放射線による産業災害(産災、労働災害)認定を受けました。
宇宙放射線とは宇宙から地球に降り注ぐ高いエネルギーを持つ、様々な粒子や放射線です。宇宙飛行士や航空関係乗務員関係者が被ばくすると言われています。
2021年に白血病で亡くなった別の元乗務員が宇宙放射線による産災認定を初めて受けたが、今回は胃がんの原因が宇宙放射線であると初めて認定されたようです。
韓国勤労福祉公団などは2023年11月5日、先月6日に胃がんで死亡した大韓航空のCAについて
「ソウル南部業務上疾病判定委員会が業務災害として認めた。」
と発表しました。
このCAは1995年から2021年までCAとして勤務し、2021年4月に胃がんのステージ4と診断され、53歳で死亡したそうです。CAは、飛行時間のほぼ半分が米州路線と欧州路線で北極を通過する「北極路線」を利用するケースが多く、他の路線よりも宇宙放射線の影響を受けやすい勤務が多かったようです。
大韓航空は
「乗務員が被ばくする放射線量については、年間の基準を超えないように管理し、また申請者の疾病と宇宙放射線との因果関係は明らかになっていない。」
と主張してきたようですが、委員会は
「個人の累計被ばく量は社会側が測定したものより実際に多い可能性があり、長距離路線の特性から食事も不規則になる点なども総合的に考慮すれば、疾病と業務の間にかなりの因果関係が認められる。」
と判断を下しました。
また、CAは飲酒や喫煙の習慣がないにも関わらず、比較的若い年齢で胃がんが発症した点も判断に影響したようです。
今後、日本でも航空機の乗務員に対して、放射線被ばく量の管理も厳しくなるでしょう。また、将来的に乗務員にガンが発症した場合、労災認定されるケースも出てくるでしょう。
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