2024年3月6日水曜日

共に安楽死

 オランダのドリス・ファン・アフト元首相夫妻が自宅において合法安楽死で共に息を引き取った、とファン・アフト元首相が設立した「権利フォーラム研究所」が発表しました。

ファン・アフト元首相と夫人のニュージェニー女史が2024年2月5日、93歳で死亡した、と発表したそうです。

 オランダは2002年、世界ではじめて積極的安楽死を合法化した国です。これには厳しい条件があり、

・患者が自発的に安楽死を請求した場合

・患者の苦痛が絶望的で耐えられない場合

・合理的な他の解決策がない場合 など。

6つの条件を満たせば安楽死を認めるそうです。安楽死には医師が薬物を投与する方法と共に、医師が提供した薬を患者が直接投与する方法もあるそうです。

 今回のように共に安楽死を選ぶ事例は珍しいそうです。それでも、近年は増加中にあるそうで、2020年に26人(13組)、2021年に32人(16組)、2022年には58人(29組)が安楽死で共に生を終えたそうです。

 現在、たくさんの国で安楽死が合法化されてきています。そんな中で、日本でも積極的安楽死を法律で容認するかについて議論されていますが、未だに法律で明示的に容認されていないため、安楽を希望する場合は海外に渡航し、積極的安楽死をするケースもあるようです。

 積極的安楽死を法制化するには沢山のハードルがあり、難しい問題でしょう。

日本の現状を考えた場合、治療しても完治することがない場合は、寝たきりの状況でたくさんの管に繋がれ、家族はじめ医療関係者の協力のもと延命しているのが現実です。

はたして、完治する見込みのない患者をたくさんの人で支え、またたくさんの医療費を投入し支えていくことが合理的なのでしょうか? また、それは本人が望んでいることでしょうか?

 将来、積極的安楽死が法制化されるように、日本でも真剣に検討しばければならない時期が必ずやって来ると私は思うし、法制化すべきと考えている人はたくさんいるはずです。

鎮静と安楽死のグレーゾーンを問う ―医学・看護学・生命倫理学・法学の視点

安楽死が合法の国で起こっていること (ちくま新書 1759)

私の夢はスイスで安楽死 難病に侵された私が死に救いを求めた三十年

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