私たち兄弟は、一時航空機の仕事をしていた父親の影響で、小さい時から大人になったら兄弟2人は航空機に関わる仕事に従事するだろう、と当たり前のように考えていましたし、夢も大型航空機の仕事に就くことこそが、兄弟それぞれの夢(目標)だったと思います。
これまではそれぞれの自身の家族のために働くことに精一杯で、兄弟で腹を据えて話をする機会がありませんでしたし、こんな機会が来ることすらも想像していませんでした。
今、兄は大型航空機のパイロットの教官をしています。私は航空機の仕事を一時的にしていましたが、志半ばで辞めて山梨に戻ってきました。今、私は高齢者や障がい者を対象にした訪問介護の会社を経営しています。
私は夢であった航空機の仕事を果たせなかったことが、最近まで心の何処かに引っ掛かっていました。
先日、兄との会話の中で「パイロットの教官やってるなんてカッコイイよね」と話したとき、
「そんなこと無いよ。お前なんか俺以上に頑張っているじゃんか」
と言われた時、何かこれまで志半ばで山梨に帰ってきてしまったことを、心の何処かに引っ掛かっていた重荷が取れたような気がしました。当初、私が仕事を辞めた時は兄から凄く叱られていたのも事実でした。そんなことも引っ掛かっていた理由と思いますが、今こうして言われた一言で救われたのも事実です。
子どもの頃は、歳の離れた怖い兄というイメージしかありませんでしたが、今、腹を割って話が出来るようになったことを本当に嬉しく思います。子どもの頃の夢は叶えられませんでしたが、今こうして、時々兄と会ってこれまでのことを話せる機会が出来たことこそが、夢を叶える以上の喜びなのではなかと思います。
往々にして、仕事柄、親の介護やお金のことなどで兄弟仲が悪い方々をたくさん見ているので、兄弟仲が悪いのは当たり前だと思っていました。しかし、私たち兄弟は本当に仲が良く、お互いを思いやれる関係でいられることは本当に幸せです。
私の兄は私にとっては「何時までもカッコイイパイロットの教官」です。これからも1人でも多くたくさんのパイロットを指導してほしいと願わずにはいられません。
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