ここ数年、我が家にツバメ(燕)が住みつくことはありませんでした。
例年、何羽かのツバメが内覧には来ていたようですが契約には至らず、数年空き屋でした。実は我が家の巣は、ツバメの子どもが生まれてもカラスが襲撃して殺されていたので、事実上の事故物件でした。中々新婚のツバメに住んでもらえる物件ではありませんでした。
しかし、今年は何と数年ぶりにツバメが住みつき、なんと5羽も誕生しました。カラスに襲撃されることもなく、無事、巣立っていきました。大家としても一安心し、胸を撫で下ろすことができました。
さて、ツバメは夏の時期を日本で過ごす「夏鳥」と言われる渡り鳥です。
春になるとフィリピンやベトナム、マレーシア、インドネシアなど遠くの南の方からはるばる日本へやってくるそうです。これは距離にして、およそ2,000㎞~5,000㎞にもなります。
詳しいことは分かっていないそうですが、ツバメは太陽の位置を目印にして方角を把握していると考えられていて、道に迷う心配がないそうです。
東南アジアから海を越えてやってきたツバメは沖縄を経て、3月頃九州に姿を見せます。そして暖かくなるのに伴って北上し、各地で子育てを行います。
ツバメは人家や納屋など必ず屋根のある人工物に巣を作ります。あえて人の居る場所に巣作りを行うのは、外敵から身を守るためだと考えられているそうです。人の存在によって外敵を遠ざけるというのは、賢い証拠です。
親鳥は泥やワラ、枯れた草をくわえて運び込み、それを粘着性のある唾液で固めて巣を作っていきます。
ツバメは新しく巣を作ることもあれば、空いている巣を手直しして使うこともあります。前の年に子育てに使った巣と同じ巣に戻って来て、また子育てを行う親鳥も居るそうです。
1度の子育てで、ツバメは5個前後産卵し、卵は主に雌の親鳥があたため産卵から孵化まで2週間程掛かるそうです。孵化から巣立ちまで3週間ほど掛かり、ひなはたくさんの餌を食べてどんどん大きくなります。
子育てが終わると巣立ったひな鳥と子育てを終えた親鳥は、巣を離れて集団となって過ごします。その規模は数千羽から数万話羽と言われ、水辺のヨシ原などにねぐらを作り、たくさん餌を食べて渡りに備えるそうです。
そして秋が近付き9月~10月になると、ツバメたちは日本を離れます。九州、沖縄を経て海を越え南方へと渡っていきます。そこで冬を過ごし、次の春、再び日本へやってくるのだそうです。
こんな小さなツバメが数千キロも離れている距離を行き来し、生活をしていることを考えると、私たちの日常生活は何と楽なのでしょう。私にはツバメのように行き来して生活をするような、行動力はありません。しかし、来年、また巣立って行ったツバメに会える日まで頑張って生きようと思います。
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