昭和の時代、日本人は勤勉で生産性の高い国だと世界中から言われていたこともあり、一時期GDP(国民総生産)は世界2位の時もありました。
それは太平洋戦争、奇跡的な戦後復興を遂げ、高度成長を実現し欧州の先進国を抜き去った1960年代末の頃です。
それから60年以上過ぎた現在、1日8時間労働で計算すると年間31日以上、日本人はドイツ人より働いているそうです。数字から考えると日本人は働きすぎな上、ドイツの製造業労働者の賃金は日本人の1.85倍多いそうです。
これだけ短い時間で日本と同じ生産力を持っているため、ドイツ人の国民1人あたりの生産量は日本の約1.4倍にもなるそうです。
当然、1人あたりの生産性が高い分、賃金も高くなっています。
日本の製造業における時間あたりの賃金(購買力平価換算)を100とした場合、ドイツの指標値は185.0、つまりドイツの製造業労働者が貰っている賃金は、日本の約1.85倍になるのです。
外国人から見た日本人の印象は、他人の為に時間を使っていることがとても多く感じるそうです。終業後や休日の時間の近い方を見ても会社の上司や同僚、そして家族や親戚など自分の所属している組織やコミュニティーの人たちのために時間を使うこともあるでしょう。
このことから同僚や家族のために時間を使うことが、他人の役に立っている。周りに貢献している。さらには褒められる行為である、と捉えがちなようです。
逆にドイツ人の場合は、役に立ちたいとか、貢献したいと言った意欲は殆どないそうです。もちろん、休日に同僚や家族と共に過ごすこともありますが
「自分がたのしいから、幸せだから」
そうしているだけだそうです。
冠婚葬祭にも心が伴います。家族や友人の幸せを祝うことに心が伴うため、義理という概念はないそうです。また、気分が乗らない時は無理をして誰かと一緒に過ごそうとはしないそうです。
育児の場合も子どものために時間を割くというよりは、自分が子どもと共に過ごす時間を大切にしているから一緒に過ごそうとしているそうです。
ましてや『忖度』のために時間を使うことなどないそうです。自分がやりたいことが
『第一!自分が主役!第一!自分が主役!』
とはっきりしているそうです。
ドイツ人に言わせれば私は生粋の日本人で、耳の痛い話です。
しかし、現在の日本人は今、ドイツ人が思っているほどではなく、時代の流れで自分のために時間を使うようになってきています。
自分中心の考え方が主流になってきている現在ですが……。
日本企業は昔からのやり方ルールに拘り、生産性を上げられない企業があり、未だに良品率約50%という会社があるのも事実です。日本企業が世界から取り残され不景気から脱出できない理由も分かります。
現在、日本は国を挙げて所得を上げる取組を始めましたが、旧態依然の企業ばかりで、将来的に給与が上がっていくとは到底考えられません。
ますます、所得格差が進み富裕層は時間を謳歌し、低所得者はますます借金が増え返済のために働き、自由になる時間が確保できなくなるでしょう。それはストレスいっぱいの人生を歩むことと同じことです。
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