2025年9月24日水曜日

鳥が長距離飛行できる理由とは……

 かつて飛行機(航空機)は太平洋などを横断するためには、3基以上のエンジンを搭載したものが少なくありませんでした。しかし現在、日本の航空会社が運航する旅客機のエンジンは2基の『双発機』が主流になりました。

これは、エンジンの大型化や信頼性の向上、また昨今の環境負荷により規制が厳しくなった点もあります。

 さて、私たちの自然界には太平洋を横断してしまう鳥がいます。

この鳥類は、片手に乗る小さなものから大型のアホウドリまで存在します。

大型エンジンを搭載した旅客機でさえも難しい飛行にもかかわらず、小さな鳥が成し遂げてしまう理由は何でしょう。

 鳥類の運動能力は、生物の中でも別次元だそうです。それは、鳥類が哺乳類などとは別次元の『スーパーミトコンドリア』を持っていることが理由だそうです。

(スーパーミトコンドリア:酸素消費が高く、活性酸素が低く、脂肪の合成が低いミトコンドリアのこと。)

これは、約2億5千年前に起きた大絶滅後の低酸素状況が起こったことで、進化する過程で生み出された運動能力だそうです。

 小鳥を手で抱っこすると大変温かく感じます。これは鳥の体温が、ヒトの体温37度よりもはるかに高い為です。この体温の高い理由として、主に飛行する鳥と飛行しない鳥では、すぐに飛行するために強度の高い運動が可能な状態が必要なため、常に体温を高く維持しておくことが理由だそうです。

 私たちの体内にはインスリンがあり、血糖を調整しエネルギーを蓄える役割を果たしています。鳥類はこのインスリンが効きにくく、インスリンの作用を受けて反応する遺伝子のいくつかを失っているそうです。

インスリンの働きが弱いと、ミトコンドリアが良く働き運動能力が高くなるそうです。その結果、鳥は長時間飛び続けることが可能となり、長生きも出来るそうです。

鳥類は過去の進化の過程でたくさんのものを失ったことで『スーパーミトコンドリア』を持つことになったことが理由と言われています。

公益財団法人 山階鳥類研究所|Yamashina Institute for Ornithology





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