昨今、高齢者も若く仕事の継続には何も問題がないにもかかわらず、定年していく方々を見ていると『能力があるのに勿体ないよな』と思うことがあります。
また、以前であれば労働基準上60歳が定年でしたが、今では改定され65歳となりました。昨今の高齢者は元気で若い者に負けないくらいの体力や能力を持っている方はたくさんいます。
さて、私が若い時から定年退職前の方々が
『定年前に退職しないと損だの/得だの』
と言っている方を不思議に思っていました。
40年の時を経て私自身定年間近となり、以前聞いていた「損だの得だの」について分かったことがあります。
それは、定年後に申請すると貰うことのできる『高年齢求職者給付金』(賃金日額の50~80%を30~50日分を一括で支給される)ものと、
定年前2日以上前に退職し貰うことのできる『失業保険』(日額45~80%を90~150日分を28日おきに支給される)を比べると、
退職日前に辞めて、失業保険を貰った方が得だよね、という話から来ていたようです。
ちなみに日額10,000円の方が退職までしっかり働いたケースで、高年齢求職者給付金を日額算定額の80%で8,000円とするとマックス50日分の40万円の一括支給となります。
では、退職日前日に辞めた方が失業保険で考えると、日額算定額の8,000円としてマックス150日分だと120万円を28日分ずつ日割りでの支給となります。
このことから退職日の2日以上前に辞めることで3倍もの現金を支給されることになり、退職日以前に辞めた方がお得だよね、という話がこれまで囁かれていた訳でもあります。
個人的な意見ではありますが、もし退職後も継続雇用してもらえる企業であるならば、高年齢求職者給付金や失業保険などを考える必要もなく、継続して働く方がお得でしょう。
退職日まで働くか、退職日前日に辞めるかで支給される金額が3倍も違う制度があること自体が、『損だの得だの』の話になる訳です。
昨今の社会保険料や雇用保険料が高騰している時代に、そぐわない制度があること自体が間違いであり
『正直者が損(バカをみる)をする』
という話になるわけです。
今、国では日本版の『政府効率化省(DOGE)』を内閣官房に設け、日本の歳出を点検し無駄を省き『責任ある積極財政』を進めるそうです。
その中で、この『高齢求職者給付金』と定年数日前に辞めた高齢者が貰える『失業保険』を一本化し、『損だの得だの』と言われない制度設計にすることで、無駄を省いて欲しいと願わずにはいられません。
ちなみに、私は寝たきりになるまで働くつもりで、高年齢求職者給付金や失業保険を貰うことは考えていないため、関係ありません。
この原資は働いている方々の雇用保険から支払われている、と考えて頂きたいものです。
当然、支給されたい方は
「今まで雇用保険料を支払っていたから貰う権利がある」
と言われるかもしれません。
しかし、現職の働いている方々は支給されている方々よりは、高額な雇用保険を支払っていることは事実であります。
片山財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要(令和7年11月25日(火曜日)):財務省
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